吉祥寺 痛み 自律神経 美容 鍼灸マッサージ
世界三大伝統医学(ユナニ医学/インド医学/中国医学)の中国医学として、紀元前206年~西暦220年の漢字代に以下にまとめられ、傷寒病(現在のインフルエンザ/腸チフス/マラリア/コレラなど含む感染症)と共に発展してきた医学です。
『黄帝内経』東洋医学の原典
『黄帝八十一難経』鍼術の理論と臨床を簡潔に述べたもの
『傷寒雑病論』湯液治療(漢方薬)の原典とされる
『神農本草経』個々の生薬について解説 などなど…
それらは、奈良時代に遣隋使によって輸入されました。現代でも、東洋医学を学ぶ私たちのバイブルです。「大宝律令」に医事制度を定めた「医疾令」があり、当時、鍼博士/鍼師 などの官職が存在していました。江戸時代までは、あん摩マッサージ指圧/はり/きゅう(あはき)の物理療法、漢方の投薬療法が医療の中心の日本でしたが、出島から江戸に蘭方医学(今の西洋医学)が伝わり、蘭方医学が盛んになります。(ドラマのJIN仁の世界!)
因みに、現存する日本最古の医書は、丹波康頼による国宝『医心方』(984年)です。京都仁和寺に一部があり、東京国立博物館が所有しています。
その後、第2次世界大戦終戦後、GHPにより鍼灸マッサージや柔道整復などが禁止される動きがあったといわれておりますが、多くの先生方の働きかけで、昭和22年12月20日に現在のあはき法が施行されました。
なお、グローバルスタンダードでは、「東洋医学」=「鍼+灸+推拿(あん摩マッサージ指圧)+漢方」が必ずセットで行われていますが、日本で漢方処方がきるのは医師、それを調剤できるのは医師もしくは薬剤師と、分業されています。
「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師」は、鍼灸師、マッサージ師、指圧師などと呼ばれていますが、3つの独立した国家資格です。専門学校や大学で3年以上約3000時間の座学や実技を学びます。学校で学ぶ教科数は以下になります。
医療概論、衛生学・公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論、東洋医学臨床論、経絡経穴、あん摩マッサージ指圧理論、はり・きゅう理論、あん摩マッサージ指圧実技、はりきゅう実技 など
・・・です。西洋医学の分野が半分を占めているんですね。学校によりますが、ゼミを設けている養成校もあります。また、一部の学校では、ご遺体を前にした解剖実習もあります。(当院のスタッフは全員実習に参加しました)
国家試験は毎年2月の最終週末に2日にわたって行われ、1日目があん摩マッサージ指圧師、2日目がはり師ときゅう師の試験です。この試験に合格して、「あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう」施術ができるようになります。
「人をみる東洋医学、病気をみる西洋医学」、端的ですがこのように学校で習います。
東洋医学では、はり/きゅう/あん摩マッサージ指圧や生薬を用いて、病や人体のバランスを重視した施術を行います。人は自然の中に人体の組織や臓器は異なる機能を持ちながら1つの有機体として存在し、小自然であると位置付けています。体の中には経絡と経穴(つぼ)があります。電車に例えるなら、中央線が経絡で吉祥寺駅が経穴です。
「天人合一思想」もしくは「天人相応」=人体の機能と構造は自然環境に相応しており自然と一体であるという考えをベースに、「中庸」と言い体のバランスが取れていることが、よしとされます。
一方、西洋医学は、外科的手術や化学合成部質(薬)を用いて、病に直接アプローチをしています。また、検査技術が高く確定診断が行えます。疾病分類(ICD)も体系的に整理されており、特定の疾患について標準治療が定められています。薬の合う合わないなどもちろん人によりますが、多くの病気には決められた治療法が確立されています。
両医学は症状や病によって分けて考えるのではなく、補完の関係にもあります。例えば、五十肩の場合、整形外科で投薬治療やリハビリを受けながら、鍼灸マッサージの施術を受けると、疼痛コントロールも良いと言われています。もちろん、器質的に問題がない場合の不定愁訴や疼痛は、鍼灸マッサージで改善することも多いのです。
一般的に、問診と呼ばれる、舌とお腹と脈などを診た後、鍼やお灸やマッサージを行います。実際にどのようなことをするのでしょうか。
◉あん摩マッサージ指圧
力学的刺激(おし/もみ/さすり/たたき/振るわせ/引っ張る)を与えて、違いは以下になります。
あん摩 :薄い衣服の上から遠心性(中心部から末梢の方向)に行う
マッサージ:皮膚を直接触れ求心性(末梢部から中心の方向)に行う
指圧 :垂直圧の一点圧を主体とした押圧操作を遠心性に行う
◉鍼術(はり)
鍼を用いて体に刺激を加えます。鍼の太さは0.10〜0.18mmがよく使われ、採血に使う針はサイズ(G)は22G=0.714mmなので、とても細いです。鍼の種類はたくさんあるのですが、多くの施術所で使われているのは、以下の2つです。
毫鍼(ごうしん):体に刺すはり
鍉鍼(テイシン):刺さないはり、お子様や体力がない方に使われます
◉灸術(きゅう)
文(もぐさ)を用いて身体表面の一定部位に温熱的刺激を与えます。もぐさはよもぎから作られる、ジャパニーズハーブなのです。その成分は「シネオール」と言い、鎮痛や殺菌作用があります。以下の3つが多くの施術所で使われています。
台座灸:せんねん灸のような形をしています。
知熱灸:熱くなる前にとるお灸、もぐさの量は米粒〜うずらの卵くらいの大きさを調整します。
透熱灸:熱さを少し我慢するお灸で、もぐさの量は米粒〜うずらの卵くらいの大きさを調整します。
また、体に針をして鍼の上に丸めたもぐさを置き火を付ける、灸頭鍼(きゅうとうしん)という方法があります。これは、腰痛や五十肩などの疼痛緩和にとても効果的です。当院では、この灸頭鍼をよく使います。
鍼灸マッサージは、体の変調を改善し、健康状態を継続と増進、予防または治療に応用させることができます。さらに、鎮痛/鎮静/自律神経系/内分泌系の調節による全身的な影響、血流の調節や免疫機能の変化などが生じ、症状や病態が改善します。教科書に記載されている内容ですが、以下が適応症となります。
●あん摩マッサージ指圧の対象となる疾患
① 神経系疾患:神経痛/麻痺/痙攣/脳卒中後遺症/ポリオ/ ノイローゼ/不眠症/ ヒステリーなど
② 精神性疾患:神経症性障害/解離性障害
③ 運動器疾患:関節リウマチ/筋肉痛/筋萎縮/筋力減退/軽症の筋炎。腱炎/関節の拘縮/癒着の利離/関節の変形/骨折/脱臼/捻挫の後遺症など
④ 消化器疾患:胃下垂/慢性胃炎/胃アトニー/慢性腸炎/常習性便秘など
⑤ 呼吸器疾患:気管支喘息/慢性気管支炎
⑥ 循環器疾患:局所性の充血/鬱血/貧血/水腫など
⑦ 泌尿生殖器疾患:膀眺麻痺/膀眺痙攣/膀脱炎/乳腺障害
③ 新陳代謝疾患:痛風/脚気など
⑨ その他疲労回復/病後の体力回復など
●鍼灸の対象となる疾患(WHOの見解,1979年)
①上気道疾患:急性副鼻腔炎/急性鼻炎 /感冒 /急性扁桃炎
②呼吸器疾患急性気管支炎 /気管支喘息(小児が最も有効,合併症がないもの)
③眼疾患:急性結膜炎 /中心性網膜炎/近視(小児)/ 白内障(合併症のないもの)
④口腔疾患:/歯痛 /抜歯後疼痛 /歯肉炎 /急性慢性咽頭炎
⑤胃腸疾患:食道,噴門痙攣 /しゃっくり /胃下垂 /急性・慢性胃炎/胃酸過多症/慢性十二指腸潰瘍(除痛)/急性十二
上記に挙げた適用の随伴症状や、他にもたくさんの症状に効果があると言われています。経験の医学であるからこそ、今後もたくさんのエビデンスを揃えて、クライアントの皆様に施術効果をお伝えしていきたいと思います。